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第26章 夢の穴

とりあえず台所に行く。




味噌汁と焼き鮭に白いご飯が並び、




匂いで腹がグゥ～っと悲鳴をあげた。




「早く食べて」




女は流しに向かい食器を洗っている。




女房？ってやつか？




ストンと腑に落ちた。




そうだ、俺は妻帯者なんだ。




ユウキとユウタは子供で…………




そうだ、そんな気がする。




妙に納得してしまった。





と、すると………………





「あれ？癌は？」




鮭を頬張りながら尋ねると、





「癌ー？何言ってるのよ？




あなた先月の健康診断で何も無かったじゃない」




え……………………





そうだっけ？





そうか、そりゃそうだよな。今こうして家に居るの




だし…………




「あ、そうだなハハハ。




ごちそうさま、美味かったよ」




俺はスーツに着替え、急いで歯を磨き家を出た………………