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第30章 シラナイカオ

ーーーー「はぁ、はっ、はぁ、はっ……」



動悸による息切れを繰り返しながら指はスマホ画面を



スクロールしていく。




サイトには『紳士』の顔写真とプロフィール、所属する会社、差し出せる金額の最低額が記載されている。




中には上限なし、なんて男もいた。



『淑女』のプロフィールには簡素に顔写真・名前と年齢のみ。




未奈は数多ある紳士の顔写真から利用できそうな優男を探していく。



もちろん『ハズレ』もある。



ホテルに入った後で「金が無い」と言った男もいたし、



金払いが良いと思っていたら未奈を盗撮しエロサイト




に投稿していた男もいた。



顔の造作で選んでいるのではない。




優男とは、何となくこの男ならばと思える男だ。




中野のように、コロッと騙される優しげな男は馬鹿とも言える。



そのように男の金を餌にして、



未奈は住み処を安アパートからマンション、



マンションから高級マンションへと変えた。