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第11章 少年少女も脱皮する

「えー？

ユヅキ、そんな事してるの？


ヤブキくん怒らないの？」



ミサトの大きな目がさらに大きくなる。



「怒んない。


………と思う」



あたしはマニキュアを塗り直しつつ、



爪先にパールを乗せる。



「あーそれかわいい。


ふうん、怒んないんだ。


寛容だね」



ミサトはため息を吐いた。




友人（親友という言葉が嫌いだから使わない)の



ミサトは、


顔よし・スタイルよし・成績よし。



雑草のあたしから見れば薔薇みたいなもの。



なのにいつも変な男子にばかり追いかけら


れてる。



こないだ隣の男子高の脚フェチ男からリベンジ



ポルノされ、



担任・学年主任を巻き込みひと悶着あったばかり。




その前はSっ気が強すぎる25歳のおっさんに



縛られて叩かれ、



あたしにSOSのLINEが来た。



「いいなー。


幼なじみが彼氏なんてさ。


しかもあのヤブキくんでしょ」



好きな者同士が付き合うと信じ込んでるミサト。



かわいい！



純真すぎる！



だから変な男寄ってくるんだよね。



「んな良いもんじゃないよ。



腐れ縁みたいな感じだし」



あたしは立ち上がり、



「さ！今日はこれで行こっと。


ライブ楽しみだ～」



そうそう、今日は放課後little　arrowsのミニ



ライブがある。



今から楽しみで堪らない。




もう、脚の付け根が疼く。