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あんなこんなエロ短編集
第12章 カノジョのカレ

まりえは背筋を伸ばし、
佐倉葉を見据えた。
「見下してなんかないわ。
何も知らないあなたに言われたくない。
定期は返したから、じゃ。」
背中を向ける。
「わざとだよ」
また、脚が止まる。
が、まりえは振り向かない。
ざわざわしているコーヒーショップの客たち。
その中で、
佐倉葉の声は妙にストンと耳に届いてきた。
「定期入れたんだよ、
あんたのポケットに。
『こいつ同じ目してる』と思って」
同じ目ーーーーーそれは、何だろう。
わたしはあんなに人を食った態度は取らない。
養護教諭を騙したりしない。
ふと………微笑みを拵えて紗理にテキストを渡
した場面が過った。
胸に小石を投げられたような不快な感触が
広がった。
「見当違いなら謝るさ。
ありがと、定期届けてくれて」
歌うようにのんびりとした声。
まりえはくるっと踵を返して進む。
そして…………右手を振り上げ、
佐倉葉の頬を叩いた。
佐倉葉を見据えた。
「見下してなんかないわ。
何も知らないあなたに言われたくない。
定期は返したから、じゃ。」
背中を向ける。
「わざとだよ」
また、脚が止まる。
が、まりえは振り向かない。
ざわざわしているコーヒーショップの客たち。
その中で、
佐倉葉の声は妙にストンと耳に届いてきた。
「定期入れたんだよ、
あんたのポケットに。
『こいつ同じ目してる』と思って」
同じ目ーーーーーそれは、何だろう。
わたしはあんなに人を食った態度は取らない。
養護教諭を騙したりしない。
ふと………微笑みを拵えて紗理にテキストを渡
した場面が過った。
胸に小石を投げられたような不快な感触が
広がった。
「見当違いなら謝るさ。
ありがと、定期届けてくれて」
歌うようにのんびりとした声。
まりえはくるっと踵を返して進む。
そして…………右手を振り上げ、
佐倉葉の頬を叩いた。

