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あんなこんなエロ短編集
第12章 カノジョのカレ
「はあっ、はあっ、はあつ」


わたしは走った。



バスを乗り継ぎ、


JRを利用しY高の前まで一気に。



「ーーーーーっ、はあっ、はっ、はー………」




走り過ぎて息が切れる。




でも…………、誤解を解かなくちゃ!



門から入ろうとしたら、姦しい女子の声が聞こえてきた。



「…………男子高で?」



不思議に思って声のするほうを見た。




「………あ…………」



門の手前ーーーーーまりえが走ってきた方向とは逆



のほうで、葉の姿がある。



しかし、周りには…………




「きゃははっ、葉くんキャラメル食べられないんだー」



「うそでしょ~」「おもしろーい」



4人くらいの女子が囲い、中心に葉がいた………




背筋に緊張感が迸る。




凝視してしまう。




「だあ~あって、キャラメルのねちっこさが苦手でさ」



葉は笑っていた。



白い歯を見せて輝くような笑顔だ。




硬直したように動けない。




「………ははっ、…………え?



ーーーーーまりえ!!」



葉がわたしに気付く。



わたしは瞬時に逃げ出した。



また、走る。



「ちょっ…………ごめんね!」



女子たちに謝っている葉の声。




ーーーーーなんで、なんで謝るの?!ーーーーー




脚を早めた。



はあ、はあという息切れといっしょに大粒の雫が溢れる。



頬に冷たい筋が伝う……



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