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王子様は、きらきら星の住人
第1章 壊れたきらきら星
女は、真理子の目の前で立ち止まり、鮮やかな紅いルージュの唇を歪めた。
真理子は、真由を降ろし、女に食ってかかる。
「よくもっ……よくも来れたわね……!あんな事をしておいて……よくもっ……」
真由は、母と対峙する艶やかな女を見上げた。
自分がよく知っている大人だ、とその時気付いたが、まるで初めて会った人間のようにも思える。
それほどに、その人物の様子はいつもと違っていた。
ーーとーた君の、ママ……?
「あらあ、だって、透太(とうた)だって今日の為にピアノを練習してきたんですもの。発表会に来ちゃいけないって貴女に指図されるいわれは無いわ」
女の言葉に、真理子の顔色が土色に変わった。
唇と頬を震わせ、せわしなく瞬きを繰り返すその瞳からは涙が次から次へと溢れだす。 大噴火寸前の活火山を思わせるその様に、真由も、周囲の人々も不安をおぼえた。
先生が狼狽しながら、ステージからマイクで呼び掛けた。
「あの……よくわかりませんが……お二人とも落ち着いて……子供たちも見てますしーー」
「そんなの関係ないわよ!」
真理子が激昂した。

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