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第2章 幸せのあしあと

　ムックは隆雄さんには忠実です。
勿論、命の恩人である美香子さんにも。
雅人はムック順位の中では三位です。

　隆雄さんがムックを可愛がったのは、嫌っても擦り寄ってくるのです。
次第に隆雄さんの言うことは絶対になりました。
忠犬ムックとして成長していったのです。

　美香子さんは餌をくれる優しい人です。
最初から最後まで歯向かいません。

　雅人は三位ですからね。
時には兄弟喧嘩をします。
弟まで地位の上がったムックは無敵です。
雅人の学生時代の彼女や女友達を片っ端から噛んでゆきました。
その度に雅人にグゥで殴らても、懲りない犬だったようです。

　雅人と私が初めて会った時、携帯（ガラケー）の壁紙はムックでした。


　「可愛いでしょ！」

　自慢気な雅人。

　可愛いけど………
そして、写真を見せながらムックの思い出を話します。

　多分、ムックは兄が親しくする女性に嫉妬していたのでしょう。

　帰るまで部屋に入れて貰えないし（笑）