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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第11章 父の顔
翌日、オレは父親との待ち合わせ場所である駅の改札口にいた。
時計は18時より少し前に着き、父親を待った。

よく考えたらオレは父親の顔を知らない。
一体どんな人物なのだろうか。
声の感じからして、やや低音でハッキリとした口調の人だ。

何度も改札口を見ては父親らしき人を探した。

この人だろうか、いや、あの黒のスーツを着た人かな。
するとスマホに着信が鳴った。

「は、はいもしもし」

【今、改札口の自販機にいるんだが、どこにいるんだ?】

自販機の前?あ、あの人だ。仕立ての良いグレーのスーツに片手にバッグを持っている。

オレは自販機の前へ向かった。

「あ、あのはじめまして亮輔です」

やや白髪ながら、スラッとした身なりの良い中年、この人が父親か。

肩幅が広く、身長は180ぐらいの長身でカッコいいというのが第一印象だった。

「まさかこんなに成長していたとはな。どうだ、飯でも食いながらゆっくり話をしよう」

父親は微笑を浮かべながら、駅前にある焼肉屋に行こうと言った。

「腹減ってるだろ?何でも好きな物頼め」

「は、はいありがとうございます」

オレはカルビやタン塩、ハラミを注文し、父親はビールとキムチ、カクテキを注文した。

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