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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第14章 出生の秘密
父親は商社マンとして現在も勤務しているが、母親も以前は同じ会社に勤務しており、秘書をしていたらしい。

そして父親と社内恋愛という形で結婚した。
翌年には兄の達也が誕生した。

しばらくは子育てに専念していたが、母親は社長の秘書兼愛人としてその付き合いはまだ続いていたらしい。

そして兄か3才の頃、母親はオレを身ごもった。

父親は兄の子育てが忙しいと思って夜の営みを控えていた。
なのに母親は妊娠した。

激怒した父親は誰の子供だと問い詰めた。
母親は口を割らなかったが、その態度で相手が社長だという事が解った。

まだ愛人という関係を精算していない母親とは夫婦としてやっていけないと、兄を引き連れ家を出ていった。

母親は当初、社長には内緒でオレを生んで育てたが、まだ生まれたばかりのオレを預けるところも無く、それまで蓄えた僅な金でオレを育てたが、蓄えが無くなり、夜間の託児所にオレを預け、夜の商売へ身を投じた。

そしてオレのホントの父親である社長は母親の居場所を見つけ出し、影で母親の援助をしていた。

その当時は社長業を退き、会長となっていた。
その会長は妻に先立たれ、子宝に恵まれなかった。となると財産は母親に渡る事になり、しばらくして会長はガンでこの世を去る。

その遺産を受け継いだ母親は商売の才能があったのか、夜の店を何店舗も経営する程の人物になった。

つまりパトロンは会長であり、それ以前に男を取っ替え引っ替え連れ込んだのは、会長は既に男としての機能が不可能な状態で、母親は性欲を満たしてくれる相手を探し、店の客を家に引っ張り混んで情事に耽っていたという事だ。

やがて他の男に飽き、精通を迎えたオレをターゲットにしはじめ、毎晩のようにオレを求めてきたという事らしい。


「お前も高校生になったからこれだけは伝えておこうと思ってな。この話を聞くのは辛いと思うが、これがお前の生まれてきた経緯なんだ」

父親もこの事を話すのをためらったが、オレが高校生になった事でいずれは話さなければならないという事でオレに伝えたみたいだ。

何はともあれ、今日からはオレも高校生になった。
新しい生活を満喫しようと思った。
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