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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第87章 覚悟

「本当に申し訳ありませんでした。でも、あの金を持っている間、オレは兄の薄ら笑いをしている顔が離れなくて…金を持っているからいつまでも兄が付きまとうんだ、ならばいっそ全部使うしかない、と思ったんです。これは本当です。信じてくださいと言っても信じてくれないでしょうが…」
確かにあの金を全部使いきった後、兄の幻影に悩まされる事は無かった。
となると、あの金は使いきって正解だとオレは思っている。
「君は数奇な人生を歩んでいるね。私には計り知れない人生だ」
確かに。
オレはそういう星の下に生まれてきたのだろうか。
次から次へと災難が降りかかってくる。
「あの金を使ってしまった事は本当に申し訳ないと思ってます。でもオレ、そうでもしないと気が狂いそうだったんです」
人を信用しないと誓ったが、沢渡さんは別だ。
この人は信用する、しないという存在ではない。
オレにとっては、特別な存在の人だからだ。
「うん、わかった。君の目を見てウソか本当か見極めて見たが、どうやら君はウソをついてなさそうだ」
この人にウソは通用しない。
長年、裏の世界を渡り歩いた人だ、オレみたいなガキがウソをついてもすぐにバレてしまうからだ。
「あの金を君に渡したのが悪かったのかもしれない。悪いのは私の方かもしれん」
「そんな事ないです!沢渡さんはオレの事を思ってあんな大金を渡してくれた、言わば恩人です。悪いのはオレなんです」
オレはテーブルに額を擦り付けるように頭を下げた。
「もういい、頭を上げなさい。それよりこれからの事だ」
そう、問題はこれからどうやって生活していこうか、その事も兼ねて沢渡さんとこうやって顔を合わせたのだから。
確かにあの金を全部使いきった後、兄の幻影に悩まされる事は無かった。
となると、あの金は使いきって正解だとオレは思っている。
「君は数奇な人生を歩んでいるね。私には計り知れない人生だ」
確かに。
オレはそういう星の下に生まれてきたのだろうか。
次から次へと災難が降りかかってくる。
「あの金を使ってしまった事は本当に申し訳ないと思ってます。でもオレ、そうでもしないと気が狂いそうだったんです」
人を信用しないと誓ったが、沢渡さんは別だ。
この人は信用する、しないという存在ではない。
オレにとっては、特別な存在の人だからだ。
「うん、わかった。君の目を見てウソか本当か見極めて見たが、どうやら君はウソをついてなさそうだ」
この人にウソは通用しない。
長年、裏の世界を渡り歩いた人だ、オレみたいなガキがウソをついてもすぐにバレてしまうからだ。
「あの金を君に渡したのが悪かったのかもしれない。悪いのは私の方かもしれん」
「そんな事ないです!沢渡さんはオレの事を思ってあんな大金を渡してくれた、言わば恩人です。悪いのはオレなんです」
オレはテーブルに額を擦り付けるように頭を下げた。
「もういい、頭を上げなさい。それよりこれからの事だ」
そう、問題はこれからどうやって生活していこうか、その事も兼ねて沢渡さんとこうやって顔を合わせたのだから。

