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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第90章 大物有名司会者

寂しそうな社長の声だった。
こんな形であの仕事を辞めるなんて…
何でいつもこうなるんだ。
オレは呪われているのか。
だが、あの会社には申し訳ないが、治療費を捻出するにはこれしかない。
「終わりました」
オレは会社に連絡して、正式に辞める事を女オーナーに伝えた。
「貴方、中々律儀な子ね。益々気に入ったわ。じゃ瓜田くん、後は頼んだわよ」
「はい、お任せください」
「亮輔くん」
「はい…」
「頑張ってね。どんな事があっても1週間、お客様の側にいるのよ、いい?」
「解りました…」
女オーナーはオレにキスをした。
突然の事なので、些か面食らった。
柔らかい唇だった…やっぱり母親と一緒だ。
「いい、必ず1日に1回は連絡するのよ」
「はい、解りました」
「では行きましょう。オーナー、言って参ります」
瓜田は頭を下げ、オレと一緒に部屋を出た。
これがオレの初仕事か。
どんな相手なんだ。
マンションの地下は駐車場になっており、黒の国産高級車の後部座席に座った。
瓜田という男はオレたちレンタル商品を送迎する役目なのだろう。
車内では瓜田が何一つ言わず、ハンドルを握っている。

