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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第90章 大物有名司会者

嫌な沈黙だ。
この沈黙に耐えきれず、オレは瓜田に声をかけた。
「あの、相手というのはどんな人なんですか?」
オレはどんな人物と一緒に暮らすのか全く聞いていなかった。
瓜田はバックミラー越しにオレの顔を見ながら、相変わらず爽やかな表情をしている。
「申し訳ありません、お客様とお会いするまでは一切の情報をお教えする事は出来ませんので、どうかご了承ください」
会うまで誰なのか解らないのか…
不安だ。
どんな相手なのだろうか。
大企業の社長婦人とか、そういう類いのオバチャンなのだろう。
いや、もしかしたらお婆ちゃんぐらいの年齢かもしれない。
いずれにせよ、若い女ではないという事は覚悟しておくしかない。
車は30分程の距離にある、大きな建物の地下駐車場に入り、指定の車庫に車を停めた。
瓜田は腕時計を見ながら運転席から辺りを見回した。

