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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第133章 やりたいようにやりなさい…

「確かお前、この前に言ったよな?誰も信じないって?オレも一緒で誰も信じないんだよ。おたがい信じられない者同士が住んでどうなるってんだよ?バカかお前は?」
相手にならん、オレはそのまま公園を出た。
後からナツが追うように付いてきた。
「何だよ、早く仕事に戻れよ。もういいだろ?だからオレに構うな」
「古賀くんさぁ、学校で習わなかった?マイナスとマイナスをかけるとプラスになるって。確か数学で習ったはずよね?」
「…何が言いてえんだ?」
「いいじゃん、マイナス同士で?誰も信じない者同士が住んだって。お互いの事干渉しないで済むじゃん?」
…コイツの言う事も解らないではない。
オレも内心はコイツとまだ会っていたい。
誰も信じない、誰も愛さないと決めたのに、それが音を立てて崩れていくような感じだ。
「少し考えさせてくれないか?」
「…うん、解った。それからもう1つ、着信拒否を解除して?」
「解った。じゃ、答えが出たら連絡するよ」
「うん、待ってるから」
そしてオレらは別れた。
「先生、妹と一緒に暮らしてもいいかな?オレは出来れば暮らせるものなら暮らしてみたい。その先の事は解らない。でも、今は一緒に住んでみたい、なぁ先生。いいかな?」
(亮輔、好きにやりなさい。アナタはアナタの人生なんだから…)
…!オレは後ろを振り向いた。
鴨志田の墓石だけが何故かキラキラと光って見えた。
やりたいようにやれって事か…
帰ってナツに連絡しよう…

