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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
『タロットルーム・桃香』は駅ビルの中にあった。僕の占い講座に電車で通う生徒も多い。

 どうやら大半は行きがけに占ってもらいストラップも購入したようだ。スクールから歩いて十分程度なので、僕も様子を見に行くことにしてみた。

 生徒とかち合うと気恥ずかしいので、講座とかけ離れた時間帯に訪れた。
平日の昼間だと言うのに五名ほど並んで待っている。――すごい人気だ。

 全て女性客なので躊躇ったが、市場調査と言うことで並んでみることにした。立て看板には一件につき二千円と書いてある。
一人一人の鑑定は短いらしく、一時間もたたないうちに残すところ、あと一人で僕の番だ。
 回転の速さに感心していると、相談の終わった若い女性が頬を染め「お次どうぞ」と言い――やはり桃のストラップを手に持ち――僕に頭を下げ、スキップの様な足取りで立ち去った。


 順番が来た様なので黒いドアを開け中に入る。ビロードの艶やかな紫のカーテンが垂れ下がっており、その少し奥にテーブルが見えた。

「こちらへどうぞ」

 若く張りのある玉のような声が聞こえる。

「失礼します」

 カーテンと同じ素材のテーブルクロスが敷かれた丸テーブルに着き、タロット占い師を見上げると透けた紫のベールをかぶり口元も覆い、目だけ見せている。隙間から覗く、たれ目がちな瞳は大きく、潤んで美しい。
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