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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
桃香はインスピレーションをタロットカードを使うことにより、行き過ぎてしまう能力を抑え、ほどよい塩梅で占い師として社会に落ちつけた様だ。
本来、媒体にするものを主体にしてしまった小百合に感心する。
「すごいな。普通はタロットをインスピレーションの助けにするのに」
「はいっ。小百合先生はすごいんです」
師を褒められて、桃香はさらに嬉しそうな顔を見せた。
「園女先生はまだお元気ですか?」
紅潮した顔に陰りが見える。
「去年……。あたしが最後の弟子なんです」
「そうですか」
しんみりした空気が流れる。涙ぐみそうになるのを堪えて桃香は顔をあげた。
「亡くなる前に小百合先生が是非、緋月さんに会いなさいって。それで準備してやっとここに来れたんです」
小百合の意図が今一つ読めないが、僕の師、蘭子との水魚の交わりを想うと、お互いの最後の弟子を会わせたいという素朴な気持ちなのかもしれない。
桃香は一人で馴染みのないこの町にやってきて、自分の力を試そうとしているらしい。
「今日は夜、講座があるから無理だけど、明日、町でも案内するよ。都合はどうかな?」
「ほんとですか! 嬉しい。まだ全然この町の事知らないんです。ちょうど定休日なのでいつでもいいです」
本来、媒体にするものを主体にしてしまった小百合に感心する。
「すごいな。普通はタロットをインスピレーションの助けにするのに」
「はいっ。小百合先生はすごいんです」
師を褒められて、桃香はさらに嬉しそうな顔を見せた。
「園女先生はまだお元気ですか?」
紅潮した顔に陰りが見える。
「去年……。あたしが最後の弟子なんです」
「そうですか」
しんみりした空気が流れる。涙ぐみそうになるのを堪えて桃香は顔をあげた。
「亡くなる前に小百合先生が是非、緋月さんに会いなさいって。それで準備してやっとここに来れたんです」
小百合の意図が今一つ読めないが、僕の師、蘭子との水魚の交わりを想うと、お互いの最後の弟子を会わせたいという素朴な気持ちなのかもしれない。
桃香は一人で馴染みのないこの町にやってきて、自分の力を試そうとしているらしい。
「今日は夜、講座があるから無理だけど、明日、町でも案内するよ。都合はどうかな?」
「ほんとですか! 嬉しい。まだ全然この町の事知らないんです。ちょうど定休日なのでいつでもいいです」