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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
「おなか減った」

 僕の隣で桃香がつぶやいた。
 気が付くと日付が変わっていて真夜中だった。

「パスタでもゆでるよ」
「ん」

 ゆるゆると起き出し、横たわる桃香の頬にキスをしてから台所に向かった。



 シャワーを浴びて濡れた髪を頬に貼り付けせている桃香は、沖に上がった人魚姫のようだ。

「簡単なトマトソースだけど」
「美味しい」

 僕たちは相当空腹だったらしく、最終的に五人前くらいのパスタを茹でることになった。


 胃袋が満たされほっと一息をついた桃香がつぶやく。

「こういう状態を幸せっていうのかな」
「そうだね。身体を満たすと気持ちに連動しやすいからね」

 微笑む桃香は一つ成熟したような、深い眼差しを見せた。

「緋月さん。あたし今もやっぱりあなたと一緒になりたい。さっきも一緒になった感じがあったけど、もっともっと深く交じりあいたい」

 僕は静かに次の言葉を待った。

「あたし、この町を去ります。もう少しいろんなところで修行してきます。本当の意味であなたと対等になりたいから」

 次に出会うことがあるならば、桃香は素晴らしく成長し完璧な『女』になっているはずだ。
僕はひれ伏すことなく対等でいられるであろうか。――娼婦であり聖女であり……。
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