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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第3章 ジェミニの女 好奇心の章
「去年から考えていたんです。もっともっといろんなことを知りたくて」
「大丈夫なの? いきなり」
「アメリカは学生のころに留学してたのでそんなに心配ないです」
「そうか」
「お願い。お餞別くださいませんか?」

 こんなにしおらしいチセを初めて見て、僕はドキリとした。双子座の小悪魔的な一面がチラチラ垣間見え僕を翻弄しそうだ。
一言も発せずじっとしている僕の手を引いて「突っ立ってないでお風呂いきましょー」と、明るく誘った。
とりあえず引っ張られるままバスルームに向かう。

「へー。ここはかわいんだあ」

 浴室はモザイクタイルが貼ってあり、丸い浴槽は小ぶりで二人入ると、すし詰めになりそうだ。チセは浴槽をシャワーで流して湯を張り始め、備え付けの小袋を見つけ袋を破き、中の液体を入れた。

「バブルバスになりますね」

 嬉しそうに湯と泡を眺めている。ぼんやり眺めているとチセは服を脱ぎ始め僕のネクタイも外し始めた。

「あ、ちょっ、と」
「往生際が悪いですよ。遊んでください」

 器用にネクタイを外され、シャツのボタンにまで手がかかったので僕は「いいよ」と自分で外した。
 のろのろと服を脱ぐとすっかり小さな浴槽は泡まみれになっている。チセはすんなりした背中を見せて泡の中に突入していく。

「せんせっ。はやくはやく。きもちいーですよお」

 泡の中にもぐったり顔を出したりと、活きのいい魚のように飛んだり跳ねたりしている。僕も少し愉快な気分になって浴槽に入った。

「ちょっと狭いね」
「そうですね。でもラブホってこんなもんじゃないんですかね」

 ふっと両手にのせた泡を吹きかける。

「こらこら」
「せんせえの眼鏡外した顔初めて見た」
「ぼんやりしてるって言いたいんだろう?」
「うーん。こっちのほうが優しく見える」

 にっこりしたチセはじっと見た後、唇を重ねてきた。

「ん、むぐ、うむ」

 小さくて薄い唇は小鳥のようについばんでくる。
いつの間にか身体も密着してきていて、ほっそりとした身体が僕の上で漂っている。

「先生って着痩せするんですね。こんなに逞しいなんて」
「ただの薪割効果だよ」
「そうなんだあ」


 チセの手が僕の肩から胸を撫でる。
お返しに臀部から背中を撫で上げた。



「ベッドにいきましょうよ」
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