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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第7章 ライブラの女 バランスの章
「今月いっぱいでこの町を出て、私の田舎に息子と行くことになったんです」
「二人で?」
「やっと離婚が決まったんです。今までひどいDVを私も息子も受けていて、別居してたんですけど、月に一度は息子を夫の、祖父母に会わせることになっていて……」
「あの晩もそうだったのか」
「すみません。離婚ができないんじゃないかと不安でたまらなくて……あなたならなんだかわかってくれるような気がして」
「ごめん。君には当たり散らしてしまった。……DVか。僕も暴力を振るったのと同じだ」
「いいえ、いいえ。緋月さんはとても優しかったです。激しくもあったけど決して暴力的じゃなかった。
私……あんなに燃え尽きるような感じは初めてで本当に真っ白になった気がして……」
「また、僕と……」
恍惚とし始めた美しい美佳の頬を撫でようと、手を伸ばした瞬間「ママ!」と男の子の声がかかった。
僕ははっと手を下げ元に戻す。
「あ、俊介。さよなら緋月さん。もう……お目にかかることはないと思います。
あの夜は最高の夢です。これからは息子と二人で頑張っていきます」
「ありがとう。君のおかげで癒されました。どうかお元気で」
穏やかな母親の顔になった美佳は頭を下げ、子供の手をしっかりと握って去っていった。
彼女は息子と男を両天秤にかけることはない。バランスを優雅に保ちながらも確実に大事なものを選択できる強さを彼女の中に感じた。
二人の微笑ましい後ろ姿をしばらく見送って、僕は弁当の入った袋をブラブラさせ帰路についた。
「二人で?」
「やっと離婚が決まったんです。今までひどいDVを私も息子も受けていて、別居してたんですけど、月に一度は息子を夫の、祖父母に会わせることになっていて……」
「あの晩もそうだったのか」
「すみません。離婚ができないんじゃないかと不安でたまらなくて……あなたならなんだかわかってくれるような気がして」
「ごめん。君には当たり散らしてしまった。……DVか。僕も暴力を振るったのと同じだ」
「いいえ、いいえ。緋月さんはとても優しかったです。激しくもあったけど決して暴力的じゃなかった。
私……あんなに燃え尽きるような感じは初めてで本当に真っ白になった気がして……」
「また、僕と……」
恍惚とし始めた美しい美佳の頬を撫でようと、手を伸ばした瞬間「ママ!」と男の子の声がかかった。
僕ははっと手を下げ元に戻す。
「あ、俊介。さよなら緋月さん。もう……お目にかかることはないと思います。
あの夜は最高の夢です。これからは息子と二人で頑張っていきます」
「ありがとう。君のおかげで癒されました。どうかお元気で」
穏やかな母親の顔になった美佳は頭を下げ、子供の手をしっかりと握って去っていった。
彼女は息子と男を両天秤にかけることはない。バランスを優雅に保ちながらも確実に大事なものを選択できる強さを彼女の中に感じた。
二人の微笑ましい後ろ姿をしばらく見送って、僕は弁当の入った袋をブラブラさせ帰路についた。