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第11章 第11章

　着替えは、駅のトイレで済ませた。
　眉毛を手入れする小さいハサミがリップクリームと一緒にポーチに入ってたお陰で、値札を切り落とすことが出来た。


　鏡に写る自分は、まるでクラスにいるダサい子になったみたいで、とても直視できなかった。


　お兄ちゃんが盗んだ少女趣味なワンピースは、
　私が身に着けてるナイキの黒いショートソックスとも、
　同じく黒のハラチとも、雰囲気がまったく合わない。


　マンハッタンポテージのショルダーバックについてるワッペンが赤だから、そこだけは唯一ワンピと均整とれてるかも知れない。


　でも、膝丈のフレアは、裾がひらひらで、おしりがすーすーして、おちつかない。