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第11章 第11章

　こんなフリフリのスカートを履くなんて、幼稚園ぶりくらいかも知れない。


　学校へはいつも、黒のスキニーとティシャツ姿で通ってた。
　超タイトなデザインで、膝小僧が一直線に破れてるやつ。
　もしくは、デニムの裾きりっぱなしのショーパン。
　グレーのスウェットパンツもお気に入りだった。


　ZARAやH&Mが好き。
　子供っぽい服は、大嫌い。


　服は、パパとママが会うたびに、いくらでも買ってくれた。


「奈々はスタイルがいいからなんでも似合う」って言って。


　そうして、ママは別れ際、
　いつも買ったばかりの服を私に着せ、
　スマホで私のコーデを何枚も何枚も撮影していた。


　コーデスナップを載せるサイトに投稿するためだ。


　顔をスタンプで消した私のフォロワーはたくさんいた。


《　自慢の娘♡　》

　
　だと、ママは自己紹介で私のことを紹介してた。



　育ててもないくせに。


　
　しかし、その更新も、半年前を境にピタリと止んでいる。
　お兄ちゃんと暮らし始めてから、一度もパパとママに会っていないからだ。