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お兄ちゃんといっしょ
第14章 第14章
「2万ぽっちじゃ良心が痛むくらい、いい女だったでしょ?」
そう言うとお兄ちゃんは捲り上げていたデニムシャツの袖をほんの少しだけたくし上げた。
誠太郎の眼前に入れ墨が覗いて見えるとすぐ、お兄ちゃんはそれを隠し、黙ったままにやにや笑って見せた。
一方、誠太郎のほうもなぜか笑顔で「なるほどね」と呟き、そして私のほうをちらりと見下ろすと、肩をすくめて見せた。
それから。
お兄ちゃんと誠太郎は、びっくりするほど和やかに“大人のやりとり”をした。
というより、誠太郎には「誠意を見せる」以外選択肢がなかったのだから、険悪なムードをつくる必要性がなかっただけかもしれない。
そう言うとお兄ちゃんは捲り上げていたデニムシャツの袖をほんの少しだけたくし上げた。
誠太郎の眼前に入れ墨が覗いて見えるとすぐ、お兄ちゃんはそれを隠し、黙ったままにやにや笑って見せた。
一方、誠太郎のほうもなぜか笑顔で「なるほどね」と呟き、そして私のほうをちらりと見下ろすと、肩をすくめて見せた。
それから。
お兄ちゃんと誠太郎は、びっくりするほど和やかに“大人のやりとり”をした。
というより、誠太郎には「誠意を見せる」以外選択肢がなかったのだから、険悪なムードをつくる必要性がなかっただけかもしれない。