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お兄ちゃんといっしょ
第18章 第18章
ニキビ面の家は、駅からチャリで20分ほど走ったところにあった。
立派な庭付きの豪邸が建ち並ぶ一角の、ひときわ大きな二階建ての家。
「お前んち、けっこうでかいなぁ」
ルイガノを庭の中まで押して歩きながら、黒縁メガネはしげしげとニキビ面の家を見上げている。
ニキビ面はママチャリのスタンドを立て、私を抱え下ろしながら「普通じゃん?」と気のない返事をした。
玄関に入るとすぐ、積み重なった新聞紙の山が見えた。
ゴミ袋や段ボールも山積みだ。
タタキにはスニーカーやサンダルが散乱している。
家全体に何とも言えない生活臭が漂っていた。
豪華な外観とは似つかない乱雑っぷりに、黒縁メガネは目を丸くしていた。
「こっち」
ニキビ面に連れられ、リビングに入る。
ビックリするくらい広いのに、そこらじゅう物が溢れているから、ビックリするくらい汚い。
映画館みたいな大画面テレビの目の前に、薄っぺらい布団がしきっぱなしになっている。
「親いないからさ、昨日ここで臨場感たっぷりでヌイたんだ」
ニキビ面はリュックをソファの上に放り投げ、ドヤ顔で黒縁メガネを見た。
黒縁メガネは苦い顔で「へぇ…」と答え、布団を一瞥した。
「そこ、寝てていいよ」
そう言って私に、昨日オナニーした布団の上を、ニキビ面が指差す。
当然思うところはあったが、疲労感には勝てない。
私は指示に従い、黙って布団に寝転んだ。
なんとも言えない男の脂っぽいような埃っぽいような臭いがした。
立派な庭付きの豪邸が建ち並ぶ一角の、ひときわ大きな二階建ての家。
「お前んち、けっこうでかいなぁ」
ルイガノを庭の中まで押して歩きながら、黒縁メガネはしげしげとニキビ面の家を見上げている。
ニキビ面はママチャリのスタンドを立て、私を抱え下ろしながら「普通じゃん?」と気のない返事をした。
玄関に入るとすぐ、積み重なった新聞紙の山が見えた。
ゴミ袋や段ボールも山積みだ。
タタキにはスニーカーやサンダルが散乱している。
家全体に何とも言えない生活臭が漂っていた。
豪華な外観とは似つかない乱雑っぷりに、黒縁メガネは目を丸くしていた。
「こっち」
ニキビ面に連れられ、リビングに入る。
ビックリするくらい広いのに、そこらじゅう物が溢れているから、ビックリするくらい汚い。
映画館みたいな大画面テレビの目の前に、薄っぺらい布団がしきっぱなしになっている。
「親いないからさ、昨日ここで臨場感たっぷりでヌイたんだ」
ニキビ面はリュックをソファの上に放り投げ、ドヤ顔で黒縁メガネを見た。
黒縁メガネは苦い顔で「へぇ…」と答え、布団を一瞥した。
「そこ、寝てていいよ」
そう言って私に、昨日オナニーした布団の上を、ニキビ面が指差す。
当然思うところはあったが、疲労感には勝てない。
私は指示に従い、黙って布団に寝転んだ。
なんとも言えない男の脂っぽいような埃っぽいような臭いがした。