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お兄ちゃんといっしょ
第18章 第18章
黒縁メガネは衣服が積み重なったソファの端っこに腰掛けた。
それから恐る恐る足を上げ、真っ黒になった靴下の裏を見ると、ギョッと目を見開いていた。
「なんか飲む?」
と、キッチンのほうからニキビ面の声がしたけど、黒縁メガネは、
「いや…いいや、サンキュー」
と返事をした。
どうやら黒縁メガネにとっては、この居住環境はなかなかハードルが高かったらしい。
「遠慮しなくていいのに」
ニキビ面はキッチンからバナナを頬張りながら戻ってきた。
シャツのボタンを外し、袖から腕を引き抜くと、そこらへんへポイ。
バナナの皮はゴミ箱に放り投げていたから、私と黒縁メガネはホッとした。
「ねぇ、そういえば、きみ名前なんていうの?」
ホッとしたのもつかの間、ニキビ面がズボンのベルトを外しながら、唐突に私に尋ねた。
しかし私が答えるより先に、黒縁メガネが口を開いた。
シャツのボタンを外しながら。
「あー、そうだ。
俺らもまだ名前言ってなかったよな。
俺はハルキで、コイツはエイト」
ハルキというらしい黒縁メガネは、エイトというらしいニキビ面を親指で指した。
エイトは、
「変な名前だろ。父親がナンバーエイトだったから、エイトって名前にしたんだって」
と、聞いてもいないし、ていうか私にとっては心の底から興味ないしどーでもいいことを淡々と説明した。
しかし意味がよく分からず首をひねると、見かねたハルキが口を挟んだ。
「ナンバーエイトっていうのは、ラグビーのポジションな。
つまり名前の通り、8番選手ってこと」
「そういうこと。
俺もいまラグビー部で、エイトやってんだ。
名前がエイトなのに、センターバックとかじゃおかしいから。
ははは、…あ、すべった」
「どんまい」
「それで、字は永遠の永に、むずかしいほうの翔ぶで翔」
「ちなみに俺のハルキは遥かの遥に、輝くで遥輝。
俺もラグビー部で、俺らは高校3年。
ポジションは…まぁいいや。
で、きみはなんていうの?」
遥輝はシャツを脱ぎ捨てながら、私に尋ねた。
ノースリーブ型の薄手の肌着から露出した浅黒く日に焼けた肩は筋肉がたっぷりついて、丸く硬く膨らんでいた。
それから恐る恐る足を上げ、真っ黒になった靴下の裏を見ると、ギョッと目を見開いていた。
「なんか飲む?」
と、キッチンのほうからニキビ面の声がしたけど、黒縁メガネは、
「いや…いいや、サンキュー」
と返事をした。
どうやら黒縁メガネにとっては、この居住環境はなかなかハードルが高かったらしい。
「遠慮しなくていいのに」
ニキビ面はキッチンからバナナを頬張りながら戻ってきた。
シャツのボタンを外し、袖から腕を引き抜くと、そこらへんへポイ。
バナナの皮はゴミ箱に放り投げていたから、私と黒縁メガネはホッとした。
「ねぇ、そういえば、きみ名前なんていうの?」
ホッとしたのもつかの間、ニキビ面がズボンのベルトを外しながら、唐突に私に尋ねた。
しかし私が答えるより先に、黒縁メガネが口を開いた。
シャツのボタンを外しながら。
「あー、そうだ。
俺らもまだ名前言ってなかったよな。
俺はハルキで、コイツはエイト」
ハルキというらしい黒縁メガネは、エイトというらしいニキビ面を親指で指した。
エイトは、
「変な名前だろ。父親がナンバーエイトだったから、エイトって名前にしたんだって」
と、聞いてもいないし、ていうか私にとっては心の底から興味ないしどーでもいいことを淡々と説明した。
しかし意味がよく分からず首をひねると、見かねたハルキが口を挟んだ。
「ナンバーエイトっていうのは、ラグビーのポジションな。
つまり名前の通り、8番選手ってこと」
「そういうこと。
俺もいまラグビー部で、エイトやってんだ。
名前がエイトなのに、センターバックとかじゃおかしいから。
ははは、…あ、すべった」
「どんまい」
「それで、字は永遠の永に、むずかしいほうの翔ぶで翔」
「ちなみに俺のハルキは遥かの遥に、輝くで遥輝。
俺もラグビー部で、俺らは高校3年。
ポジションは…まぁいいや。
で、きみはなんていうの?」
遥輝はシャツを脱ぎ捨てながら、私に尋ねた。
ノースリーブ型の薄手の肌着から露出した浅黒く日に焼けた肩は筋肉がたっぷりついて、丸く硬く膨らんでいた。