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お兄ちゃんといっしょ
第22章 第22章
 たぶん。



 男性と約束をしたのは、生まれて初めてだと思う。


 
 クラスの男子には興味がなかったし。
 塾の先生は私に興味がなかった。


 ただし。


 しようと本気で思えば、手頃な誰かと恋愛ごっこをするチャンスはあったのかも知れない。



 けれど私自身、ごっこであったとしても、手に入れた誰かを失う経験を積極的にしたいとは思えなかった。



 私に会いに来ては、帰っていくパパとママ。
 私は何度も何度も、親子ごっこをされては、手放されてきた。
 誰かのきまぐれに傷付くのはもう、ごめんだった。




 それなのに。
 私は遥輝と約束をした。



 日曜日の午後。
 練習終わりの遥輝と、遊びに行くっていう約束。





「俺、あれからずっと、俺ので感じてた奈々ちゃんの顔ばっか思い出してた。
 エリのLINEに返信する気が起きないくらい、やばいくらいにさ」




 そう言ったあの時、遥輝は勃起していただろうか。





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