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お兄ちゃんといっしょ
第23章 第23章
「話が前後して悪いんだけどさ。
俺が働いてた会社は、大阪にあったんだ。
ミナミっていって…風俗店が星の数ほど集まる地域な。
店が使ってるホテルがこれまた汚ったなくて古くて狭くてくっせーホテルでさぁ。
そんなクソみてーなホテルの風呂場で、女の子に着てきた洋服ぜーんぶ浴槽にブチ込まれてさぁ。
だらしないたるんだ体で、フルチンで項垂れて座ってるオッサンが、自分を捨てた父親だって気付いちゃった時の俺の気持ち、お前、想像できる?
死ぬほど恥ずかしいやら惨めだわ哀れだわ、俺、悲しくなってさぁ」
お兄ちゃんの耳に今は、ラジオの歌なんて入っていないだろう。
そう思いながら、私は相槌のように頷いた。
「示談金は50万円の決まりだった。
でも払えないって言うんだ。泣きながら。
店には出張で来たって。魔が差したんだって。
でもいくら親父でも会社の決まりがあるから、親会社に連絡して、親会社がまた別でけつもちしてる金融会社に…
どういうことか、意味わかるだろ?」
私は、ため息をつかざるを得なかった。
俺が働いてた会社は、大阪にあったんだ。
ミナミっていって…風俗店が星の数ほど集まる地域な。
店が使ってるホテルがこれまた汚ったなくて古くて狭くてくっせーホテルでさぁ。
そんなクソみてーなホテルの風呂場で、女の子に着てきた洋服ぜーんぶ浴槽にブチ込まれてさぁ。
だらしないたるんだ体で、フルチンで項垂れて座ってるオッサンが、自分を捨てた父親だって気付いちゃった時の俺の気持ち、お前、想像できる?
死ぬほど恥ずかしいやら惨めだわ哀れだわ、俺、悲しくなってさぁ」
お兄ちゃんの耳に今は、ラジオの歌なんて入っていないだろう。
そう思いながら、私は相槌のように頷いた。
「示談金は50万円の決まりだった。
でも払えないって言うんだ。泣きながら。
店には出張で来たって。魔が差したんだって。
でもいくら親父でも会社の決まりがあるから、親会社に連絡して、親会社がまた別でけつもちしてる金融会社に…
どういうことか、意味わかるだろ?」
私は、ため息をつかざるを得なかった。