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お兄ちゃんといっしょ
第23章 第23章
「でも俺、当時はまだ若かったし…
 バカだったんだろうな。
 親父のことが可哀想に見えて…
 だから、肩代わりして逃してやったんだ」



 そう言うと、お兄ちゃんはフッと笑った。



「今考えたらマジでばっかみてー。
 あとから聞いたら親父はグループ店を2軒も出禁になってた悪質客でさ。
 NG出してた女の子に言わせると、付き合ってくれ付き合ってくれってしつこくて、ちょっと冷たくするとじゃあいれさせろ二度と指名しないぞって…
 マジ、クズだよなー」



 そして、今度はため息。



「それでも俺のいた店が出禁にしてなかったのはな。
 親父のやつ、気に入ったら死ぬほど一途に金落とすらしかったんだ。
 出張で大阪来るたびオキニのためにオーラス貸し切り予約したり。
 だから本番ヤラせる子にはうってつけのカモだったってわけ」



 指に挟んだ煙草の灰が、今にも折れそうだ。



「…そういうのってさぁ。
 普通よりちょっと稼いでるくらいのサラリーマンの遊び方ではないんだよなぁ…」



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