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お兄ちゃんといっしょ
第27章 第27章
 間違いなく言えることは、今日は遥輝にとって人生で一番屈辱的な1日だろう、ということだ。


 遥輝は途方に暮れた様子で、服を脱ぎ、スポブラ姿になった私を見つめている。
 お兄ちゃんが言った。


「嫌だったらいーよ。
 今から奈々の保護者として、学校に電話するから」


 遥輝は黙って頭を抱え、俯き、それからすぐ顔を上げた。

 思うことは100通りだってあるだろう。
 だがしかし、今の遥輝には、疑問や言い分をひとつひとつ解決している暇も余裕もなかった。

 遥輝がサングラスを外す。
 目が据わっている。
 何かしら覚悟が出来たのか、汚れたTシャツを床にかなぐり捨て、私の横に立った。


「つまり…俺は今からここで、奈々ちゃんとヤレばいいんすか」


 物分りのいい遥輝のごつい肩と太い首筋を見上げる。
 お兄ちゃんは煙草をくわえたまま、ニヤリと笑い、ベッドの上で手招きをした。



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