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お兄ちゃんといっしょ
第4章 第4章
 盗みに行くときは「盗みたい」って気持ちと、それを達成するための計画と、爆発しそうなくらいの心臓のドキドキしか存在しない。
 息をすることが出来た。


 今まで何度補導されただろう。
 何度、おばあちゃんに泣かれただろう。


 だから、おばあちゃんからお兄ちゃんの話を聞かされたとき、私の胸は激しく高鳴った。


 おばあちゃんとしては私に反面教師のつもりで語ったのだろうけど、逆に私は強い共感をお兄ちゃんに抱いた。


 一体どうして、なにをしでかしてお兄ちゃんは前科モノになったのか。
 いくら問い詰めても、自分から話したくせに、おばあちゃんは詳しくは教えてくれなかった。


 日に日に、お兄ちゃんに会ってみたいという気持ちが膨らんでいった。


 おばあちゃんに、何度も頼んだ。
 お兄ちゃんに会いたいと。
 けれどおばあちゃんは会ってはだめだと言った。
 

 だから、おばあちゃんがパートに出ている間に家中を引っくり返して、やっとお兄ちゃんの連絡先を見つけた。


 それが、半年前のこと。


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