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お兄ちゃんといっしょ
第1章 第1章
 なのにお兄ちゃんは鏡を見るのが好きだ。
 目が隠れるほど長いぼさぼさの前髪を気にして手櫛で何度もとかし、右向いたり左向いたり。
 はやしっぱやしの筋髭をやっぱり気にしてみたり。

 そんなことをしながら煙草を1本吸い終わり、缶ビールを空にしたら、お兄ちゃんはやっとシャワーを浴びる。

 紺色のボクサーパンツを脱ぐと、黒く生い茂った陰毛の下に、朝勃ちしたカッコウのままのお兄ちゃんのモノが露わになる。
 太くて長くて浅黒くて、血管がうにうに浮き出てて。
 普段は優しいお兄ちゃんの本性を想像させられてしまう。

 色白なわりに体毛が濃く、がっちりした筋肉質なボディラインが卑猥だ。
 とりわけ、筋肉が左右に発達したふくらはぎが。

 布団のなかにいる私は、お兄ちゃんがパンツを脱いで浴室に消えるまでのほんの数秒間で、お兄ちゃんの背中から肩、両腕、腰のあたりまで広がっている入れ墨を見て目に焼き付けることに全神経を集中させる。
 
 さっきまでひっついて寝ていた時に感じていたお兄ちゃんの汗ばんだ肌の質感や体臭、体温、その他もろもろを、オナニーのオカズとして完成させ脳内でリンクさせるためだ。



 
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