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第1章 第1章

　お兄ちゃんの朝シャンは長い。
　毎朝10分は浴室に立てこもる。
　起床は毎朝決まって6時45分。
　だから私の日課もその時間にスタートする。

　布団の上に脱ぎっぱなしにされた寝汗で濡れた黒いティシャツを鼻にくっつけ、思いっきり匂いをかぐ。
　じっとり甘く脂ぎった、若い男の、お兄ちゃんの汗の匂い。

　クラスの男子の汗のにおいは心底遠慮したいものなのに、お兄ちゃんの煙草まじりの汗の匂いは私の身体をどうしてこんなに刺激するのだろう。