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第6章 第6章

　お兄ちゃんを引き留めるものはなんなんだろう。


　兄妹だから？
　私が小学生だから？
　なんで？


　私と暮らし始めてすぐ仕事を辞めたお兄ちゃん。
　私に自撮りの顔写真を撮らせたお兄ちゃん。
　私のおまんこの写真を…。


　お兄ちゃんが悪い人だってこと、私は知ってる。


　でも、お兄ちゃんがどうやってお金を稼いできてるのか、それは、私は知らない。
　ううん、ほんとは知らないふりをしてる。
　お兄ちゃんが私のオナニーを知らないふりしてるのと同じ。



　なのに、私にだけ、奈々には悪さなんか出来ないよって、愛嬌のある笑顔で言うんだ。
　私が何も知らないと思って。


　人間は嘘をつくから。
　嘘には慣れてるから。


　でも。

　やっぱり、おかしいよ。
　お兄ちゃんは、おかしい。


　お兄ちゃんだけは私を拒まないで。
　私を受け入れてよ。