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第7章 第7章

「兄ちゃんのこの頼みきいてくれるなら、奈々は俺の立派な嫁さんだよ」


　お兄ちゃんが私のおっぱいを執拗に刺激する。
　ぽろん、と涙がひとつおっこちた。


「泣くなよ。さっきちゃんと言ったろ？俺の嫁さんになるってことは…俺と一心同体になるってのは、そういうことなんだって」


　なのに、身体はむずがって仕方がない。
　泣きながら、首を横に振る。

　お兄ちゃんがため息をついた。
　手が静かに、私のおっぱいから離れていく。
　

「…だよな。無理よな。泣き虫の奈々には、そーんな辛いこと、できっこないよな」


　お兄ちゃんは、落胆した様子だった。
　それが分かるから、私は取り繕うかのように、自分でも無意識のうちに口走っていた。


「私、できるよ！」


　お兄ちゃんが私の顔を覗き込む。
　期待されているのがひしひしと伝わる。
　だから私は泣きながら、「できるもん」と、繰り返した。
　お兄ちゃんは黙ったまま、ふふ、と笑った。
　熱い息だった。



「かわいいやつ」




　耳元で囁かれ、背中がぞくぞくうずいた。