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お兄ちゃんといっしょ
第8章 第8章
「今日何曜だっけ。水曜なら開いてないよ」

 お兄ちゃんはバリカンのスイッチを消した。
 言いながら私の肩に手を回し、腰をかがめて私の耳元に唇をくっつけた。
 そして鼻を鳴らす。

「てか、ちゃんと洗った?」

 私のあちこちの匂いを確かめるように嗅ぎながら、お兄ちゃんはやんちゃっぽく笑っていた。

「二回も洗ったんだよ。まだくさい?」
「くさいな」

 手が尻に伸び、大きな手のひらがふくらみを撫で回す。


「身体のあちこちから、おんなの、あまーい匂いがするよ」


 ゆうべ私をぶった手で、お兄ちゃんは私の身体のあちこちを撫で回す。



「大人の女だって、こんなやらしい匂いさせてるやつ、めったにいないよ」



 …やっぱり私には、解せない。



「お前まだ、処女なのにな」



 “はじめて”だけはお兄ちゃんにされたいという私の切実な願いは、力強く頬をぶたれるほど、いけないことだったのだろうか?



 …と。



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