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第9章 呪縛からの解放―扉の向こう側へ―

今まで、好きな人には素直になれず素っ気ない振りばかり。反対に気のない人間に、断り切れなくて相手をしてみたり。周りを気にしてばかりの俺だった。


自分の思うままに行動できればどんなに楽か…。


でも、そうできない自分が堪らなく嫌だった。
そんな天の邪鬼な人間を好きだって?!
耿輔も、よくよくもって物好きなヤツ。


黙ったままの俺の反応が気になるのか、耿輔の瞳に不安げな色が浮かぶ。


それはちょっと不思議で、なんだか意外。


傲慢、強引な耿輔でもこんな顔するんだ…らしくない…いつでも唯我独尊じゃないのか？