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第9章 呪縛からの解放―扉の向こう側へ―
「モトミ…モトミは…俺のこと…」
”好き”なのかと、耿輔の瞳がその先の言葉を継ぐ。
だけど、俺は相変わらず黙ったまま。
口を開けば、己の矛盾する内面に向き合わなきゃいけなくなる。
それぐらいのこと、酔った俺にも分かりきっていた。
答えられない…答えたくない。
重苦しい沈黙が俺たちを包み込む。
どうしてそんな思い詰めた目で俺を見るんだ。
そんな真剣な眼差しをしたって、本気だって言ったって、所詮は遊び。おまえの口説き文句なんて、既に学内外から収集済みだ。
期待されても、その手には乗らない…
一時の熱情に踊らされるような俺じゃない。
おまえの常套手段なんかに乗らない!
乗るもんか…絶対…
なのに…
夜の静寂に包まれた狭い部屋に、再び熱く湿った音が響く。それは、先程とは比べものにならないほど、淫らな…