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第9章 呪縛からの解放―扉の向こう側へ―

理性の糸がプツリと切れる音がした。


「…コ・ウ……好…きだ……」


頭の中が真っ白になって全く別の世界に堕ちていくような感じ。

どうなっちゃったんだろ…

まさか自分でそんなこと口走るなんて…信じられない。

此処にいるのは、さっきまで存在していた”津山固望”(ツヤマモトミ)ではない。

全く別の人格─

自分の中に、こんな大胆・変態なもう一人の自分がいたなんて今の今まで知らなかった。


…嘘だろ…


それとも、酔っぱらっているせい？

でも、いくら酔ってるからって、こんな爆弾発言する？…有り得なくね!?

時間を元に戻したい…こいつが部屋にやって来る前まで。


いや、こいつに会う以前まで…