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第9章 呪縛からの解放―扉の向こう側へ―
混乱した頭のまま、俺は耿輔の上に己の躯を預けた。全力で100メートルを走ったとき以上の脱力感。
そのまま、肩で息をしながら呼吸をゆっくりと整えていく。
重ねた躯を通して、耿輔の胸のドキドキが伝わってくる。なぜか俺は、そのリズムに不思議な安らぎを覚えた。
火照った身体は、今の行為で先程にもまして熱を帯びる。
頭はクラクラ、躯はフラフラ。
もう、何も考えられない…
過度の飲酒、心地よい温もり、規則正しい相手の鼓動は、俺を眠りの世界に引きずり込むのに充分だった。
”此処から離れなきゃ…”と思うのに、躯を起こすことが出来ない。
「モトミ、…しても…ぃぃ…?」
耳許で話し掛けるヤツの声が低く流れていく。
(ん…何…?…何だかトンでもないことぼざいてるような気が…)
内容を確認するのも面倒くさくて、俺は曖昧な返事を返した。
…眠い…凄く…眠たい…放っといて…
突然、ふうわりと躯が持ち上がるような感覚。
僅かなタイムラグ…
次に気付いたときは、自分のベッドの上だった。