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第10章 快楽の虜 ―夢幻mugen―
頬を伝ってシーツに落ちる涙のシミがどんどん広がっていく。
耿輔に抱き締められても、暫(しばら)く嗚咽は治まらなかった。
「…逃げんな…、現実から目を逸らしたって、いつか捕まる。…俺から逃げないで……」
ヤツの言葉が俺の胸に鋭く突き刺さる。
耿輔の胸に縋り付いて助けを求める自分がいた。
「過去になんか囚われるなよ…。おまえを苦しめる過去は俺が全部忘れさせてやるから…俺に……すべてを委ねて…モトミ…」
それが、巧みな罠であっても、今はそこに落ちていくしかないように思われた。
耿輔の罠が俺の呪縛を解いてくれるなら…それでも良い──