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第10章 快楽の虜 ―夢幻mugen―
「何が問題?…さっきまでは何とも無かったろ…俺そんな酷いコトした?」
切なく揺れるヤツの瞳。
きっと、その幻惑のせい…
俺の口から、言うつもりもなかった過去がポツリポツリと落ちていく。
宥(なだ)めるように俺の髪を梳いていた耿輔の指が止まる。
アナログ時計の針の進みは、恐ろしいほど鈍(のろ)い。
このまま時間が凍結して、自分だけここに取り残されるのではないか?
耿輔の声は、俺をここから救い出すたったひとつの出口だった。
「モトミ…、怖がらないで。今、おまえの前に居るのは奴らじゃない。ハッキリ俺を見ろ!」