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第11章 原点回帰 ーフラクタルー

冗談じゃない…。それでなくても、この状況をなんとかしなきゃならないのに、倒れてる時間なんか無いっての…。

「…モトミ…、どぅした？…すげー顔色！大丈夫かぁ…？」

倒れる寸前の俺を抱え込んだのは、多分、俺をこんな状態にした張本人─耿輔。

（何呑気なこと云ってんだよ！！おめーのせいだろうが…、一体俺になにしたんだ…）
喉まで出かかった言葉を呑み込む。

知らなくても済むものなら、いっそ知らずに済ませたい…、そういう防衛本能(？)が無意識のうちに働いたのかも…


「触る…な…」


俺が言ったのはただ一言、この短い台詞。

それに反して、ヤツの口からは百にも及ぶ、文句タラタラの言葉が並べられる。

「おまえなぁー、そりゃないんじゃないのォ？アレほど蜜月な時間を分かち合ったのに…
”おはよー”のキッスもないわけ？…」
　
”キス”と聞いて、俺は条件反射で再びトイレに直行。