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第11章 原点回帰 ーフラクタルー

「……耿輔君か。ほう～」

この、”ほう～”って云うのは親父がターゲットとして捉えたコトを意味する。

耿輔は、多分親父の好みのタイプだろうとは思ったけど…


何考えてんだよ！エロ親父…


「モトミが面倒掛けたりしてるんじゃないかぃ…、結構これでいい加減だから。これからも、仲良くしてやって下さいね。よろしくお願いします」

この親父に”いい加減”って云われたくない！
どっちがだよ！

それにしても、何しに突然やって来たんだ。

「そうそう、仕送りついでだから持ってきたよ。まぁ、無くてもどうにかなってるようじゃないか？」

嫌がらせだろうか…
こいつは…

「…用が済んだんなら、サッサと帰れよ！」


もう少し、我慢して大人しく親父の話を聞いていれば良かった。


俺の言い方が、偏屈モノの親父の逆鱗に触れ、とうとうこの後、よりにもよって男三人で六本木までイタリア料理を食いに行く羽目になる。