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第11章 原点回帰 ーフラクタルー

何で副都心の高層ビル見ながら、このメンバーで”健康的な”イタリア料理を味あわなきゃいけないんだ。

ここのレストランのテーマ─良質の日常─からトンでもなく掛け離れた俺たち。

健康的なイタリアの太陽と香りなんて、凡(およ)そ俺たちには不釣り合いだった。

大体、この状態の俺に食べられるものって…

有機栽培果物で作ったジュースくらい。


は～、折角の豪華な食事も今日の俺には何の意味も無い。

どうして、こういう日に誘うかな…親父！

親なら息子の体調くらい解りそうなもんじゃないか…、

この顔色見て、さすがの耿輔だって、『大丈夫かよ？』って、そっと聞いてきたのに。

親父に”息子のコトを解れ”と言う方が間違ってるのだろう…


そんな調子で、気分は最悪だった。

その上、帰りに止(とど)めのこの一言──