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第15章 【第三部 * Another ring * 】悪友実咲

モトミが例のバイトで酷い目に遭ったことは実咲も充分知っている。
それもこれも、元はと言えば、自分の軽はずみな言動のせい。
それでも、最後にはいつでも許してくれるこの友人に、実咲は心底感謝していた。
今日だって、散々文句を言いながらも、結局、貴重なバイトの時間を縫ってキャベツを刻んでくれている。
実咲の立場からは、当然、終始低姿勢で行くべきところだろうが、どうしてもひとこと言わずにはいられない性分の実咲だった。
その一言が、話を更にややこしくするのだけど。
「良ーく思い出してくれよ。おふくろさんが家飛び出したとき、涙目だったおまえに付き合って一晩中一緒に居てやったのは何処の誰だ。おまえが食あたり起こしたとき、あまつさえ役に立たない家族に代わって、おまえを救急外来に運んだのは?医者から陸上やるのはもう無理だって言われたき、話聞いてやって毎晩飲みに付き合ったのは誰だよ」
目と鼻の先にあるモトミの顔を、穴が空くほど覗き込んで実咲が言う。

