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第15章 【第三部 * Another ring * 】悪友実咲

「モトミ、その件についてはホントマジで悪いと思ってる。反省してるって言ったろ。いい加減半年も経つんだから許せよ…」

「”許せよ”ってそれが、悪いことしたって言ってる人間の言うことか？！本心からそう思ってるなら”許して下さい”だろーが。おまえ、全然反省してねーよな」

「してるって…、信じてくれよ」

実咲の表情は真剣そのもの。

だが、そんな見せかけの健気さで懐柔されるモトミではなかった。なにしろ、モトミには実咲絡みの悲惨な体験が多すぎる。

「誰がっ！…大体おまえと一緒にいて得した記憶が無い」

そう、気の毒なことに、モトミは実咲のせいで、語るも涙聞けば笑いの悲惨な目にこれまで散々遭わされてきた。

「”得”とかいう言い方するなよ。人間”損得”勘定だけで付き合ってるわけじゃないだろ」

実咲の言い分にも一理。
でも…

「一番、損得で動いてる人間に言われたかないよ」

「あのなぁ…。俺ってそんな信用無いわけ？」

珍しく哀愁を帯びた実咲の声。