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第18章 耿輔の誘惑 実咲の疑惑 モトミの当惑
今にも崩れそうなモトミの危うさが、見る者を怪しい気持ちにさせる。
実咲は、こんな切ない表情をするモトミを見たことがなかった。
「おっ前なぁー、どういうつもりだ!!」
我に返った実咲がそう言って耿輔とモトミの間に割って入ったのと、耿輔がモトミを解放したのとはほぼ同時。
思ったより華奢なモトミの身体を我が身に引き寄せて、実咲は狼男から親友を保護する。
「…モトミ大丈夫か?」
長くて深い唇づけから解放されたモトミの頬はほんのりピンク色に上気して、細い肩は浅い呼吸に揺れていた。その儚げな姿が何とも言えず扇情的だ。そこにあるのは妖しい色気。
これなら耿輔でなくてもモトミの魅力に惹き付けられるだろう。
“これがあのモトミか?”
“俺の知ってる《津山固望》”?
此処にいるのは、実咲が知っているのとは全く別人のモトミだった。
秘かにゴクリと唾を飲む実咲。
即物的な反応を掻き消そうと必死だった。