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第2章 美味しい話にはご注意下さい

玄関を入ってバス、トイレ、申し訳程度のダイニングキッチンを抜けると、10畳ほどの洋間があるだけのシンプルな造り。その先には狭いベランダ。

フロアカーペットの洋間には、撮影用らしき照明器具の側に二人の男性が立っていた。
30前後と言うところか。その内の背の高い方が俺に声を掛けてくる。

「やぁ、ようこそ。一応僕がここの責任者の内藤、となりがカメラ兼照明の諸田。入り口にいたのがスタイリスト、ヘアメイクその他諸々担当の葛西。君は…コウの友達?」

「あ、いえ、大学の部室で…」

そう答える俺の言葉を遮って、耿輔がせっかちに言う。

「ダチだよ。津川トモ…えっと、モトミか。
いいからさ、早く始めて早く終わらせてくんない」
 

ダチじゃねーだろ?おまえのことはさっき知ったばかりで…

それに人の名前を間違うなよ!
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