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第2章 美味しい話にはご注意下さい

「お疲れ~。トモちゃん良かったよ。また次も頼めるかなぁ?何ならも少し色付けるから。どう?考えといて」

「可愛かったわ~。もう、仕事じゃなかったらガブガブって…」

「ナオさん、こいつ冗談通じないからダメだって…」

「やっだ~、あたし本気よ~」



いろんな言葉を背に受けながら、漸く苦渋に充ちたバイトが退ける。

俺はフルマラソンをしたとき以上に疲れ切っていた。
だが、あるのは激しい疲労感だけで、肉体的・精神的充足感は全く無い。
口も利きたくないほど疲れた。

確かに俺が知ってる他のバイトに比べれば時給は良いが、俺にとっての代償は大きかった。
この疲労感は肉体的というより、むしろ精神的なもの。

内容を知ってたら絶対引き受けなかった…

とは言え、約束通り当日払い(とっぱらい)で1万円は支給された。取りあえずこれで何日かは食いつなげる。
(自分が普段やってるバイトの給料は、アパートの家賃とツケの返済に消えて既に無い)

でも、もうヤダ…
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