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第2章 美味しい話にはご注意下さい
…無意識のうちに溢れた涙が頬を伝う。
それに気付いたコウが俺の表情を隠すように、掌で濡れた頬を包み込む。
泣き顔なんか、インターハイを直前の怪我で棄権したときだって見せたこと無いのに、こんなヤツに見られるなんて・・・俺のプライドはズタズタだった。
そのままヤツの唇がふんわり俺の頬に舞い降りると、零れる涙を舐め取っていく。
顔から火が出るほど恥ずかしい。
そんな事するな…
どうせこれも撮影用のポーズなのだろうけど…
「泣くなよ…本番してるわけじゃないだろ。もう少しで終わるから…後で飯奢ってやるよ」
俺の髪を撫でながら、耳許で耿輔が囁く。
優しい声なんか掛けないで…放っといて!
益々頑なになる俺の心。
俺は、完全な人形になることだけにすべての意識を集中した。
身体が自分を裏切っていくことには目を塞いで…