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第2章 美味しい話にはご注意下さい
「おいっ、待てって。飯奢ってやるって言ったろ。それぐらい付き合っても良くない?」
耿輔は何故か執拗に食い下がる。
「いいよ、遠慮しとく。そのあと飯より高くつきそうだから。おまえに着いてったら何されるか分かったものじゃない」
そう言って駆け出そうとする俺の肩を力任せに掴んで、耿輔は俺を強引に振り向かせた。
「俺の腕の中で泣いてたのはどこの誰だ?素直じゃないよね、おまえ」
「素直じゃなくて悪かったな、余計なお世・話・・・んっ…馬鹿!!…や…だっ…」
こいつ信じられねー!あれほどヤダって言ったのにキスしてきやがった!!
思わず防衛本能から、俺は耿輔の唇に噛みついてしまう。
相手が怯んだ一瞬の隙を突いて、無我夢中で走り出す。
第一線を退いたとはいえ、陸上で鍛えた俺の脚に普通の人間が追いつけるわけはなかった。
とにかく猛ダッシュで商店街を抜ける。
頭の端っこに”こんな無茶な走りをして後でどうなっても知らないからな”という声が聞こえていたけど…