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囚われの城
第9章 変化する気持ち
椅子に座らされ、後ろ手に縛られ、M字開脚をする瑠菜の間には日向。
肩で息をする苦しそうな瑠菜の表情。
日向は手を止めず、呆然とする龍を見て少しだけ口角を上げた。
激しく動かす手をパッと離すと、瑠菜はまた潮を吹く。
「私はこれで帰りましょう」
近くにあったティッシュボックスからティッシュをとり、愛液に濡れた手を拭く。
そして瑠菜の足を閉じさせ、身なりを整えてあげ、手を縛っていたベルトを外す。
瑠菜は支えを失って椅子の上でぐったりとした。
「お前…どういうつもりだよ…」
「…?何がです?」
「瑠菜は城から解放された。もう俺もお前も、こんなことしていい立場じゃないんだぞ」
龍の低い声が静かに流れる。
「城から解放されても、知ってしまったものを忘れることはできませんよ」
「…っ!」
「あなたが気に入るものは、私が全て壊してあげます」
日向はいつもの冷たい声で龍にそう言い残し、マンションを出た。
瑠菜は会話の全てが耳に入っている。
しかし、それを深く考える余裕などない。
入れて欲しい。
さんざん愛撫され、焦らされ、イカされ、最後にはきっと入れてくれると思っていた日向が帰ってしまった。
幾度となく絶頂を迎えたけれど、欲しい感覚はまだもらえていない。
「瑠菜ちゃん…ごめん、俺がタイミング悪く留守にしたせいで…」
「…りゅう、さん…」
「とにかくもう休んだほうがいい。立てる?
「…龍さん、お願い…入れてください…」
「…え?」
龍は抱き起こした瑠菜に見つめられた。
乱れた制服、紅潮した頬、涙の溜まった目での上目遣い。
「欲しいの…お願い…」
瑠菜が震える手で龍の頬に触れる。
そして、顔を引き寄せてキスをした。
「瑠菜ちゃん…もう日向はいない、脅されたの?もう大丈夫だから…」
龍は軽く瑠菜と唇を合わせ、すぐに瑠菜を抱き締めた。
瑠菜からお願いをされることが辛かった。
少し前までは、恥じらいもある無垢な少女だったのに…。